一年 (side 柊)

8/10
前へ
/666ページ
次へ
  「もったいな~い! けっこー可愛かったのに!」 「じゃあお前が付き合えば?」 「慎也のこと好きになるコが俺のこと好きになるわけないじゃーん!」 あっはっは!と笑いながらバシバシ肩を叩いてくる。 いや、本気で痛いから。 お前の力、思ってるより強いから。 叩き続けてくる手を強めに払いのけると、徹はふと何かに気付いたように俺を見る。 「…何だよ」 「そういや、初めてだなぁと思って」 「何がだよ」 「慎也の”素”見て、さらに攻めてくるコ!」 「…」 「おっと、授業だ! あとでな!」 徹が慌ただしく席に戻っていった後、俺はぼんやりと考えていた。  
/666ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20152人が本棚に入れています
本棚に追加