冷たいヒト (side:陽菜子)

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  隣にいる柊先輩を、見上げて思う。 生まれて初めて告白したことも。 冷たく突き放されてきたことも。 時折触れたやさしさも。 諦められずに思い続けた日々も。 これまでの私を動かしてきた、感情のすべて。 それは全部、柊先輩がくれたもの。 柊先輩が私の視線に気付いて、微笑んでくれる。 私を見る瞳が、笑顔が、そしてつながる手のひらが。 溶けてしまいそうなくらい、やさしくて、あたたかい。 そのすべてが、くすぐったくて、うれしくて。 まるで、柊先輩の全部で、“好きだ”って言われてるみたい。 あまりにうれしくて、信じられないくらい幸せで。 私はまた、柊先輩のこと、好きになっていく。 恋心に、リミットなんて、ないのかもしれない。  
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