告白 (side 陽菜子)

5/6
前へ
/666ページ
次へ
  お辞儀をした体勢のまま、固まっている私。 自然とぎゅっと閉じていた目をゆっくり開ける。 私の影が先輩の足元に伸びていた。 …あれ? 告白って、した後どうするんだっけ…? そんなことを思った瞬間。 ザッという砂利の音と共に、先輩は進行方向…つまり、私のいる方とは逆へと歩き出した。 何が起こったかすぐに理解できず、私は顔を上げた。 先輩の背中が、どんどん離れていく。 …って、フリーズしてる場合じゃない! 「…えっ、ちょ、せ、先輩っ!?」 しかし先輩は、私の呼びかけにさえ何の反応もしなかった。
/666ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20152人が本棚に入れています
本棚に追加