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矢野崎澄香は興味の無いことに対しては本当に興味が無く、溢れる正義感から困っている人をそのままにしておけない性格の人物である。
それを最も理解しているのが、小学生からの付き合いである御園愛莉である。
だからこそ……
「負けた」
翌日、澄香の言葉に愛莉は自分の耳を疑った。
「はい?」
「路地裏で説教しようとしたら負けた」
「えっとね……」
澄香から放たれる少ない言葉からなんとか理解しようと頭を働かせるが、すぐに断念した。
「ごめん。もっと詳しく」
「帰宅中、近道で路地裏を通ろうとしたら高校生が三人の大人をボコボコにした後だった」
「その高校生に喧嘩売ったの?」
「説教しようとしたの!」
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