346人が本棚に入れています
本棚に追加
簡潔に説明するなら、少年は路地裏で男三人に囲まれていた。
「人にぶつかって謝罪無しってか?」
「これだからゆとり世代ってのは困るよな~」
「ほら、地面に頭擦り着けて謝れよ」
少年は何も言わずにその場を離れようとするが、男のうち一人が少年の肩を掴んだ。
「おいおい、頭も下げないで帰るのか?いい度胸してんじゃねぇかよ……ッ!?」
男の不意打ちとも言える拳を、少年は呆気なく止めた。
「……よォ」
そこで少年は初めて口を開いたが、言葉ともつかない一言に男達の背筋に悪寒が走った。
「オレは『短気な性格は損をする』とか言われてなァ、改善に取り組ンでたんだよ。そしたら何だ?いきなり殴りかかッて来やがるンだから『温厚』なオレでもキレるッてもンだろ?」
最初のコメントを投稿しよう!