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興味の無いことに対しては全くやる気というものを見せない澄香だが、彼女は意外にも正義感溢れる性格だったりもする。
だから困っている人がいれば見捨てることはないし、喧嘩を止めることだってする。
「…………」
それが喧嘩の最中ならば、の話だが。
近道である路地裏には、三人の男が転がっている。
そして目の前には、同い年ぐらいの目つきの悪い少年が立っている。
「……喧嘩は良くないよ」
目の前の少年に放ったつもりだったが、少年は何も言わずにその場から立ち去ろうとした。
「って、人の話は最後まで聞きなさいよ!!」
怒鳴るが、少年は完全無視で歩き続ける。
「ちょっと待ちなさい!!」
歩みを止めない少年の腕を、澄香は掴んだ。
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