第一話:出逢い

9/37
前へ
/224ページ
次へ
『元気かい?』 「……オレはいつから治安維持活動に参加してンだろうな」 夕方に自分に絡んできた三人を思い出し、少年は舌打ちした。 『いいじゃないか。治安維持活動』 電話先の声を聞くだけで、何故か少年のイライラが蓄積される。 『世の為人の為、悠君には頑張ってもらわないといけないからね』 「……確認だ。“悠”ってのは誰だ?」 『君だけど?』 「分かッた。そんなに死にたいッてなら殺してやる。どこにいるか言え」 『野蛮なところに変わりはないね。悠君は相変わらずトゲトゲしい』 「殺すじャ足りねェな」 電話先の声の主は笑い、何か思い出したように手を叩いた。 『今夜零時、僕の仕掛けた術式が発動するようにしてあるから』 「あ゙ァ?」
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

346人が本棚に入れています
本棚に追加