1人目の願い者

7/11
前へ
/37ページ
次へ
「あ、おかえりなさいお姉ちゃん。」 「…あたし光奈だよ?」 「あっごめんね。最近なんかお姉ちゃんに似てきたわね。それで学校はどうだった?」 「ママ学校なんて普通だよ。でもテストが帰ってきたかな。もちろん100点だけどね。」 あたしは思った。このセリフどこかで聞いたことある。 「(確か前にお姉ちゃんが言ってたな。)」でも気には留めない。 「光奈ちゃんも、やればできる子なのね。ママ嬉しいわ」 ママはあたしを誉めまくった。 もうすっごいいい気分。 もしかして、お姉ちゃんは毎日こんな良い気分だったのかな。 そう思うとなんだか腹が立ってきた。 そこにお姉ちゃんが帰ってきた。 何だか元気がない。 あたしはお姉ちゃんなんか気にせず、鞄を置いて散歩に行くことにした。 「ママ!散歩行ってくる。夕飯までには戻るから」 あたしは家を飛び出した。 今考えるとどうしてあたしは散歩に行ったんだろう。 不思議に思う。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加