豪快な彼女は繊細な彼女

はじまり

千秋が女の子らしい反応を見せたのはすんごい久しぶりな気がします。

背中にファスナーがついてて、中にオッサンが入ってるんじゃないかって位ですからね。

だから普段とのギャップにドキドキしてますよ今。

鼻と鼻が触れてしまいそうな位すぐ近くに千秋のほんのりと赤く染まった顔があるわけですよ。千秋の吐息が頬に掛かって少しくすぐったかったりもします。

そして近くで見ても可愛い顔をしてやがるんですよコレがまた。

いかんいかん。何をときめいてるんですか俺は。

「だ、大丈夫か千秋。すまん」

俺は千秋に感じたドキドキとときめきを感じられないように、慌てて声を掛けたのでした。