目的の王国

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目的地に向かう車の中で、マルスは言った。 「次に行く国は、国民の国に対する満足度が百パーセントなんだって」 大きく欠伸をして、オルフェは答える。 「で?」 「……一応王国ってことに成っているんだけど、実際は共産党の一党独裁体制に成ってるらしいんだ」 「国会があるんだ……そこ右曲がって」 マルスは、右にハンドルをきりながら続けた。 「変じゃないか?」 「何が?」 「……まず、国民の国に対する満足度が百パーセントって言うの。それから、王国なのに議会が政治を指揮しているのが」 オルフェは、溜息を吐いた。 その後、二人の間に会話はなく、一時間ほどで目的地に着いた。
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