目的の王国

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その国は、とても活気に満ち溢れていた。 入国審査を無事に終えて、二人は国の中心を目指して歩き始めた。 道は綺麗に整備されているが。 「……車通行禁止って」 狭い為、車は通れないのだ。 「まぁまぁ……。ほら美味しそうな匂いがするよ」 そう言ってマルスは、オルフェの手を引いて屋台に近付いて行った。 「いらっしゃい。オススメは、このメドーベ饅頭だよ。一口食べてみる?」 威勢の良い男が二人に気付いて、売り込みを開始する。 「メドーベってなに?」 饅頭を一欠け受け取って、オルフェが尋ねると、饅頭を口に放り込んでマルスが答える。 「共産党のリーダーの名前だよ。彼が政権を取ってから共産党の支持率がグーンと上がって、今では百パーセントなんだ。美味しい」 マルスは、メドーベ饅頭を一箱買った。
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