目的の王国

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国王は、二人を客間に通し、自分でお茶を入れて持ってきた。 「どうぞ」 「どうも」 国王は、自分の分のお茶を飲み干して、口を開いた。 「それで、お隣りのギリス共和国からの手紙を読みました。『目的の地図』をお探しだとか」 「そうなんです、美味しい」 一口お茶を飲んで、マルスは答える。 「確かに、この国内に『目的の地図』は存在します」 「………」 「ですが、私からお渡しすることは出来ないのです」 「といいますと?」 「『目的の地図』というのは、個人個人に宛てられた預言書のことなんです。その預言書は他人には見ることも触れることも出来ないのですよ」 「成る程」 「場所までは、案内できます。しかし、その部屋の扉は、夜にしか開きません。それまでの間、どうぞ御自由に過ごしていてください」 夜までのおよそ6時間。 二人は、適当に時間を潰すことにした。
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