CASE1『バトンメール』

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長井が移動を開始してから、まるで長井を追うように見つめる人物がいた。   高校の制服に身を包んだ女性だ。   彼女の瞳はどこか安堵したような色を帯びている。   「やっと…気づき始めた?でもまだ…」   そう呟いて長井が歩いていった方向とは逆に向かい…   公園の端にある木の根元に小さな花をそっと置いてから、ゆっくりと手を合わせた。   そしてそのまま公園から出るべく出口に向かい…小さく呟いた。   「ー後…1人…」   そのまま彼女は公園を出ていった。   ー静かに静かに太陽はゆっくりと沈み、赤い血のような夕暮れが迫る。   静寂が支配する夜はその赤い夕暮れの先に佇む。  
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