CASE1『バトンメール』

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俺は携帯電話を取り出して時間を確認した。   「もう15時近くか」   「そうだね…そろそろ帰ろうか?私もバイト先に顔出したいし」   「バイト先?確か…雑誌の編集社だっけ?」   「そ。ホラー専門のね」  桃華らしいと言えばらしい。   俺は笑って…   「桃華…お前らしいよ」   そう言った。   「じゃ行こっか?」   あぁと頷いて、桃華とは駅前まで一緒に行き別れた。   俺は母さんと話していた通りに父さんに何か買って帰ろうと、適当に店をいくつか回って家に向かって移動した。   ふと、空を見上げれば太陽は完全に沈みかけていた。   赤い太陽。 赤い街並み。   赤に彩られた世界。   「ー早く帰ろう」   そう呟いて赤い太陽に背を向けて帰宅した。  
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