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俺は携帯電話を取り出して時間を確認した。
「もう15時近くか」
「そうだね…そろそろ帰ろうか?私もバイト先に顔出したいし」
「バイト先?確か…雑誌の編集社だっけ?」
「そ。ホラー専門のね」
桃華らしいと言えばらしい。
俺は笑って…
「桃華…お前らしいよ」
そう言った。
「じゃ行こっか?」
あぁと頷いて、桃華とは駅前まで一緒に行き別れた。
俺は母さんと話していた通りに父さんに何か買って帰ろうと、適当に店をいくつか回って家に向かって移動した。
ふと、空を見上げれば太陽は完全に沈みかけていた。
赤い太陽。
赤い街並み。
赤に彩られた世界。
「ー早く帰ろう」
そう呟いて赤い太陽に背を向けて帰宅した。
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