CASE1『バトンメール』

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ブーブーっと携帯電話がバイブ音と共に鳴っている。   携帯の画面を確認したら、一通の新着メールが来ていた。   誰からだ?   頭の中で、呟いて確認をする。   画面の名前は流籐桃華(るとう ももか)と表示していた。   またか…まじ、勘弁してくれよな。   流籐桃華… 俺の幼なじみで、ホラーが大好きな少し変わった感性を持つ女性だ。   ーホラーが好きだから変わっている訳ではない。 何が変わっているかと言うと…   ホラー現象…つまりは心霊スポットを1人で回ったりするのだ。   俺も嫌いではないが、それは映画や本の中だけであって、実際に行ったりはしない。   だが、最近は流石に女性1人でうろつくような事はしなくなった。   その代わりに俺が巻き込まれる…と言う訳だ。   だから本当に勘弁して欲しかった。   去年成人を迎えて今年からは心機一転、やりたい事を探して何かを始めると決めていたのだ。   正直な所…邪魔はされたくない。   が…メールを無視する訳もいかず、内容を確認する。  
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