CASE1『バトンメール』

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顔を洗ってスッキリして、目も完全に覚めた。   さっきのメールの返信をしないとな。   なんて返す? …率直に書くか。   『おはよう。さっきメール読んだけど…ありゃなんか有名なメール?』   と…送信完了。   さて…今日はバイトも休みだし、どうするか。   何気なくTVの電源を入れて適当にチャンネルを回す。   「ん?」   そんな中、あるニュース番組が目に入った。   ー某高校で先日、自殺した生徒が出たとの事ですが…やはりイジメが原因でしょうか?   ニュース番組のアナウンサーが自殺について話しているが、俺が気になったのは…   「…俺が卒業した母校で自殺だって?」   今の世の中、沢山の人間が様々な境遇から自殺を選んでいる。   ニュースのアナウンサーが行った通り、イジメであったり…   就職難などから自分の未来に希望を見い出せなくて…   ー想像以上に多い。  …自分の母校で自殺者が出たら本当に嫌な気分だ。   ブーブーっとまたメールだ。 桃華だろう。   ニュース番組から携帯に視線を移して内容を確認する。   『あ、やっぱり知らなかった?良かったら、お昼に会わない?久しぶりにご飯でも行こうよ』   俺は少し嫌な気分になった気持ちを切り替える為に了承して返信した。   「…まぁ…嫌な気分のまま1日過ごすのもな」   誰に言う訳でもなく、出掛ける準備を開始した。
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