ようこそパラレルワールドへ?

5/7
前へ
/31ページ
次へ
  「ふふっ、相変わらず賑やかだね」 笑みを含んだ声がかけられた。 3人が振り返った先には、薄水色の長髪を僅かに揺らして、クスクス笑う美少女。 おっとりとした優しげな顔。カイとは違って綺麗系の少女だ。 「おはよう。アキ、モモ」 「おはよう、ソラ」 「お、おはよう……ソラちゃん///」 いやいや、モモ。分かりやすすぎだぞ? 顔を紅潮させ、ソラに挨拶をするモモ。 アキは内心で突っ込みを入れる。 顔にソラちゃんが好きです。と、書いてあるくらいに分かりやすかった。 「ソラ~、あたしは無視か? ってか、アキが苛めるんだよ~。助けて」 「うん? でも、カイが何か言ったんじゃないの?」 「うっ――」 「負けるの分かっててやるんだから、カイって馬鹿だよね」 「あ~う~…」 何だか、ソラは生き生きとしていた。 カイを苛めるのが生きがいなのかもしれない。 そんなソラに、モモはふと思い出したように声を上げた。 「あれ? そういえば…今日はソラちゃん、いつもより遅いね?」 「うん。ちょっと寝坊しちゃって、お弁当作るの遅くなっちゃった」 「ソラちゃん自分で作ってるのっ!?」 キラキラとモモの瞳が輝いている。 その勢いにソラは驚きながらも頷いた。 「うん。そうだよ? 言ってなかった?」 「ソラちゃん最高!! お嫁さんに欲しい!!」 顔を真っ赤にしながら、勇気を出して言ったモモ。内心、ドキドキバクバクなモモにソラは笑って一言。 「ありがとう」 ………もう、ソラちゃんったら鈍感なんだから。でも、そこがいいっ!! モモは何だか萌えていた。  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加