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「ん? 弁当――?」
そこでアキは大切な事に気づいた。
目を見開いて叫ぶ。
「やばっ、弁当忘れたっ!!」
「あはは、アキのバーカ」
「カイちゃん? よっぽど死にたいらしいね?」
にっこり笑って、拳を作るアキ。
カイの顔からサーッ。と血の気が引いていく。
「いや~っ!! 暴力反対っ!!」
「私ので良ければ、分けてあげるよ?」
そこに助け船を出したソラだが……。
いや、あのソラさん。気づいて?
アキはひきつった笑みを浮かべた。
隣りからモモが、ギラギラした瞳でアキを睨んでいる。ふしゅ~。と毒ガスを吐き出しそうな気迫を感じた。
「い、いや、いいよ。売店行ってくる」
「そう?」
首を傾げるソラ。
遠慮しなくてもいいのに。と言った顔をしている。
ご飯より命が惜しいです。ソラさん。
心中で呟いたアキ。
そこでモモが声を上げる。
「あっ、僕も忘れちゃった!!」
「私の分けようか?」
「本当!? ありがとう~」
よくやりますな。モモさんよ…。
とび跳ねて喜ぶモモをアキは白々しい目でみやった。
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