4人が本棚に入れています
本棚に追加
次にアキが目を開けた瞬間、アキは学校の校門の前にいた。
この世界の人間は皆、魔法が使えるのである。
「あ、アキ~。おっはよ~!!」
そんなアキの背中に向かって、明るい声がかけられた。
振り返ったアキの目に映ったのは、にっこり満面の笑みを浮かべたアイドル顔の美少年。
薄桃色のセミロングの髪を揺らしながら、スキップでもしそうな勢いで近づいて来る。
「おー、モモ。おはよう」
彼の名前はモモというらしい。
「アキ~、テレポート使ったでしょ? さっきまで前にいなかったし。いいな~、僕は使えないのに」
ぷぅ~。と頬を膨らませ、怒るモモ。
否、女の子だったら、可愛いけど。モモは男だしな…。
苦笑を浮かべるアキ。
でも、まぁ、アイドル系の顔をしているモモだから許されはするだろう。
実際、周りではキャーと女子の黄色い悲鳴があがっている。
しかし張本人であるモモも、傍にいるアキもそれには気づいていない。
「いいな~、いいな~」
「分かったよ。今度教えてやるから」
「本当っ!? やった~♪」
そんな雑談を交わしながら、ふたりは周りの視線を無視して歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!