ようこそパラレルワールドへ?

3/7
前へ
/31ページ
次へ
  次にアキが目を開けた瞬間、アキは学校の校門の前にいた。 この世界の人間は皆、魔法が使えるのである。 「あ、アキ~。おっはよ~!!」 そんなアキの背中に向かって、明るい声がかけられた。 振り返ったアキの目に映ったのは、にっこり満面の笑みを浮かべたアイドル顔の美少年。 薄桃色のセミロングの髪を揺らしながら、スキップでもしそうな勢いで近づいて来る。 「おー、モモ。おはよう」 彼の名前はモモというらしい。 「アキ~、テレポート使ったでしょ? さっきまで前にいなかったし。いいな~、僕は使えないのに」 ぷぅ~。と頬を膨らませ、怒るモモ。 否、女の子だったら、可愛いけど。モモは男だしな…。 苦笑を浮かべるアキ。 でも、まぁ、アイドル系の顔をしているモモだから許されはするだろう。 実際、周りではキャーと女子の黄色い悲鳴があがっている。 しかし張本人であるモモも、傍にいるアキもそれには気づいていない。 「いいな~、いいな~」 「分かったよ。今度教えてやるから」 「本当っ!? やった~♪」 そんな雑談を交わしながら、ふたりは周りの視線を無視して歩き出した。  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加