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「「おはよう」」
クラスメイトに適当に挨拶しながら、アキとモモは教室に入った。
その後を追うように、青いショートの髪の少女が入って来る。愛らしい顔立ちの活発そうな少女だ。
少女は教室に入ると、直ぐにアキとモモの前にやって来た。
ニカッ。と清々しい笑顔を愛らしい顔に浮かべて、少女は元気よく挨拶。
「よっ!! アキ、モモ。はよ~」
「「おはよー、カイ」」
カイ。と呼ばれた少女は、アキに向かってニヤリと笑う。
「アキ~、テレポート使っただろ? あたしは見てたぞ」
カイは自信満々な様子で責めるようにアキに言った。
そんなカイに向かって、アキはにっこり笑う。
「うん。見てたって事は、カイも使ったんだよな?」
「うっ!!」
「じゃなきゃ、知るわけ無いし。遅刻してるもんな?」
「あぅ―――」
シューンと小さくなって黙り込むカイ。
立場は逆転して、いつの間にかアキがカイを責める形になっている。
そんな様子をモモはキラキラした瞳で、楽しそうに見守っていた。
「で、何か言う事は?」
「あぅ――…ごめんなさい」
項垂れ、謝るカイ。
きっと、そんなカイに周囲の男子が萌えている事など、知りもしないだろう。
悔しそうに唇を噛みしめ、カイは小声で呟く。
「くそ~。サディスト、アキめっ!!」
「何かな? マゾヒスト、カイちゃん?」
「あたしはマゾじゃない~っ!!」
カイが叫んだ所で、遂にモモは吹き出した。
「ぷっ、あははっ!! 相変わらず面白いなぁ。アキとカイの夫婦漫才」
「「誰が夫婦だっ!?」」
「あっはっはっは!!」
揃った声に更にモモの笑い声が大きくなった。
と、そこへ――
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