別世界に降り立つ天女

2/5
前へ
/26ページ
次へ
― 人はみな 眠りにつき  月は見守ろう 優しき笑顔  時にそっと撫でてみれば  女神思う 愛しの天使と… ― 桜の枝を高々しく上げたなら 少女は次にその枝を下げ、 回り、枝を持っていない手でそっと枝を持ち、両手でそれを掲げた。 月に照らされながら舞う少女に 森は静かに囁きながら ただただ少女の舞う姿を じっと見ているかのよう。 風は止んでいる。 少女はそっと枝にキスをした。 「今宵も、我は行こう。 舞桜を持って。」 スカートの袖をちょいっと持つと、少女は駆け出した。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加