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― 人はみな 眠りにつき
月は見守ろう 優しき笑顔
時にそっと撫でてみれば
女神思う 愛しの天使と… ―
桜の枝を高々しく上げたなら
少女は次にその枝を下げ、
回り、枝を持っていない手でそっと枝を持ち、両手でそれを掲げた。
月に照らされながら舞う少女に
森は静かに囁きながら
ただただ少女の舞う姿を
じっと見ているかのよう。
風は止んでいる。
少女はそっと枝にキスをした。
「今宵も、我は行こう。
舞桜を持って。」
スカートの袖をちょいっと持つと、少女は駆け出した。
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