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これから語る物語は≪嘘≫や≪偽≫に染められた一つの虚言と思ってほしい。
俺のこの一つの視点、観点、焦点で見たもので、俺にとっては確実に本物で本当だけれど、他の他人からすればそれは白く、黒く、無である。
例えるならばそれは人の感情に似ている。所詮、他人の考えなんて他人が知ったことではなく、知ったように測るものではない。
だが、人間という生き物は知りたがるが故、推測を始めてしまうのだ。
まぁ、推測するところは状況とかにもよるんだけれども、例えるのであれば初対面の人を目の前に相手の気分を害さないように善人を装う――――、これらの場合、あいての気持ちを≪察している≫。
この事こそが一種の推測で、己の存在を隠している≪偽≫ともいえる。
つまるところ、この物語は俺の感情で成り立っている。
だけれども事実はそのまま、赤裸々に語ろうと思う。
この目で見たものや、後日聞いた話も同じく語りつくすつもりだ。
それは当たり前だと突っ込んでくれていると思う。
素直にありがとう。
そしてこれからも、最後までその調子で突っ込んでほしい。
とまぁ、この小説を語るにあたっての注意事項はこの辺までにしよう。
本題にさしかかる前に一つ確認をしておこう。
”嘘”という言葉を定義してみようと思う。
事実とは異なる事柄、現象、事象を誰かに告げること。
”自分に嘘を吐く”という言葉があるように、”嘘”を告げる対象は生物である。
但し、あくまで嘘を吐く対象に理解力があるものに限られる。
理解力、知能がない植物はもちろんの事
植物人間状態の天才科学者に嘘を吐いても意味がない、前に嘘を吐く意味がない。
逆に小学生高学年の知能を持ち合わせるチンパンジーに嘘を吐いた場合はこの定義は成り立つ。
このような定義であることを改めてここに書き記しておく。
そういえば俺としたことが、自己紹介を忘れてしまった。
俺は樫凪 仁蓮。田舎の高校に通う学生だ。
今から俺の物語を語りだせば、丸々この小説が埋め尽くされてしまう可能性があるため、あえて詳細は伏せておくけれど
俺は高校1年の冬休みに”怪異”と呼ばれるものに行き遭ってしまった。
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