307人が本棚に入れています
本棚に追加
痛み止めの注射が痛すぎ‼と、よく愚痴っていた。
薬も飲み続けていた。
しかし、カノジョの症状は重く、
食事を取るのも、寝たままだった。
大変だったのは、トイレ。
抱えて連れて行くが、
既に神経に触れている椎間板のせいで、
どんな体制をしても、
どんな動きをしても、
カノジョは、
声にならない程、痛がり、トイレまでの4歩程度の距離に、数分掛かるし、便座に座るだけにも、時間が掛かった。
トイレに行きたい…
と、思ってから動いては、遅い。
カノジョは、
『トイレは時間を決めているの』
と、言っていた。
なんだか、健気で可愛らしかった。
歩行を助ける僕に、
何度も何度も、謝っていたのを、今も覚えている…。
最初のコメントを投稿しよう!