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話は、ぐっと、現在に近付き、昨年の話。
カノジョは、72kgになっていた。
コンプレックスの塊となっていて、
痩せていて、モテていた頃しか知らない友人の誘いには、
『会いたいんだけどね…』と言っては、断っていた。
そんなカノジョでも、
僕は相変わらず愛していた。
僕も、入口は外見だった。
華奢で、可愛らしく、まるで小動物のような愛くるしさは、
僕の友人も認めていた。
だが、12年経った今、
カノジョが太っていようが、どうでもよくなっている。
むしろ、このままで良いとすら思っていた。
付き合っていても、
言い寄って来る男性の影があり、
僕はいつも心配だった。
その心配が、カノジョが太っている事で軽減されるなら、そっちの方がよっぽどいい。
それに、ダイエットだとか言って、好きな物を我慢してる姿より、
美味しそうに食べる姿がいいに決まってる。
だから、ダイエットは、薦めなかった。
…だが、
カノジョの交通事故は、
カノジョの苦しみを増大させ、僕の意志を変えた。
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