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「なんですかいな、マシュー殿」
グロウスは口の中の飴を転がしながら、マシュフォワールの方を向く。
「名を略した呼び方はやめろ!
今回の選出計画、どのようにするかもすでに決めているのか?」
「おっ、わりと良い質問」
グロウスが両手をパチンと叩くと、選出計画概要と書かれた文字が机の真上に浮かび上がった。
「この無駄な演出はどうにかならないのか」
「ただ書類でまとめただけじゃ、つまんねーし眠くなるってのがオチってもんでしょ。
時間の使い方は効率的に、かつクリエイティブに、が俺のモットーだから」
「フン……貴様とはやはり合わん」
「まー、それもまた良いでしょうよ。
何事も違いがあるから、面白味があるんだよってね」
グロウスはニヤリとし、片手をそのまま真横にスライドする。
すると、選出の方法について文字が浮かび上がってきた。
「選出方法はーー下界での活動実績について?」
「よく読んでくれた、キアラ」
「なぜ下界なの?
過去に活動していた時期はあったけれど、そうした活動は今、廃止にしているはず。
下界への影響が大きすぎるって」
「まさに、その通り」
待ってましたと言わんばかりに返答するグロウスを、アヴァロンはギロリと睨む。
「決め事には必ず相応の理由がある。
今、それを実行することがどのようなリスクを招くか、分かっているのか?」
「もちろん。
まぁ、ちょいと見ていて下さいな」
グロウスはボタンを押すように、ブラックボードへと触れた。
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