第零章 大統領選出計画

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「なんですかいな、マシュー殿」 グロウスは口の中の飴を転がしながら、マシュフォワールの方を向く。 「名を略した呼び方はやめろ! 今回の選出計画、どのようにするかもすでに決めているのか?」 「おっ、わりと良い質問」 グロウスが両手をパチンと叩くと、選出計画概要と書かれた文字が机の真上に浮かび上がった。 「この無駄な演出はどうにかならないのか」 「ただ書類でまとめただけじゃ、つまんねーし眠くなるってのがオチってもんでしょ。 時間の使い方は効率的に、かつクリエイティブに、が俺のモットーだから」 「フン……貴様とはやはり合わん」 「まー、それもまた良いでしょうよ。 何事も違いがあるから、面白味があるんだよってね」 グロウスはニヤリとし、片手をそのまま真横にスライドする。 すると、選出の方法について文字が浮かび上がってきた。 「選出方法はーー下界での活動実績について?」 「よく読んでくれた、キアラ」 「なぜ下界なの? 過去に活動していた時期はあったけれど、そうした活動は今、廃止にしているはず。 下界への影響が大きすぎるって」 「まさに、その通り」 待ってましたと言わんばかりに返答するグロウスを、アヴァロンはギロリと睨む。 「決め事には必ず相応の理由がある。 今、それを実行することがどのようなリスクを招くか、分かっているのか?」 「もちろん。 まぁ、ちょいと見ていて下さいな」 グロウスはボタンを押すように、ブラックボードへと触れた。
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