第零章 大統領選出計画

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やがてブラックボードに、巨大な五芒星が描かれる。 「これは、一体なんのつもりだ?」 「下界では、魔術を象徴してるもの。 伝統的な文化って感じで広まっちゃいる」 「それが何だと言っている。 今問うているリスクと関わりがある話とは思えないが」 アヴァロンの睨みを気にも止めず、グロウスは二つ目の飴を口に含んで、もう一度ブラックボードに触れた。 五芒星が逆さになって浮かぶ。 「これは俺達、悪魔の象徴とされてる。 面白いことに、少し視点を変えるだけで、違うものに変化するんだよなー」 マシュフォワールが机をトントンと叩く。 待っている時やイラついている時の癖だ。 「では、これをリスクに置き換えるとどうか」 グロウスが指をパチンと鳴らすと、二つの五芒星は弾けて消える。 続いて、頭にタオルを巻いた丸顔の男が現れた。 「彼はアルバ・B・ステイク。 過去の計画で、下界の一部に大きな影響を及ぼした奴だけど、その代わりにある功績も残した」 グロウスがブラックボードの方を指差す。 そこには、「伝説の焼肉屋潰し・阿部」の文字がメラメラと赤く輝いていた。
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