闘病記～夏の記憶～

メニエール氏症候群

点滴を受ければ、吐き気は治るものと思っていたのが甘かった。

朝と変わらぬ気分の悪さが、夜になっても続く。
ベッドとトイレの往復だった。
明日はどの道ホームドクターにかかるのだ。

仕事に行かなくても良いという事情が、いくぶん気を楽にはさせてくれたが、だからと言って吐き気が楽になるかと言えば、そうではない。

2階で何度もドタドタやっているので、痺れを切らした父が

｢おい、あれじゃ駄目だ。病院へ連れて行こう。すぐ病院に連絡してみろ。｣

母が、かかりつけのＭ下医院へ連絡したのが午後8時過ぎ。
Ｍ下医院院長は、日曜日の夜間だというのに、心良く引き受けて下さり

｢待っていますから連れて来て下さい。｣

とおっしゃって下さった。