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ベッドに落ち着いて30分位経った頃、院長先生がやって来た。
もう消灯時間は過ぎていて病室は静まりかえっている。
「背骨から髄液を採って検査するので横向きに寝て。」
先生と看護師の指示通り横臥し、膝を抱えてまるく身を縮めた。
そういえば21才の時虫垂炎で手術した時、腰椎麻酔をしたのだが、あれと同じ感じだ。
その手術もこのM下医院でしたのだった。
脊椎に刺す針はとても痛いと聞いた事がある。虫垂炎の手術の時もこの検査の時も、痛みはほとんど無かった。
翌日は内視鏡だの血液だのの検査をした。
あれだけの吐き気があるのに胃には何の異常もないらしい。
昨夜採った髄液も濁りがなく全く正常だった。
やはり三半器官の障害だというメニエールなのだろうか。
吐き気は続く。
M下先生は
「何処にも異常がないが念の為お腹をエコーで診てみましょう。」
と仰った。早速エコーの検査。冷たいゼリーを付け検査用具がお腹の上をすべる。
「ん?」
と先生。
どうしたのだろう。
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