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入院して2~3日過ぎる頃には、あの苦しかった吐き気も何とか治まってきた。
点滴は相変わらず続いていたが、朝起きて患者の点滴の瓶が沢山吊された台が病棟に運ばれ、その中に自分の名前のある瓶を見つけると、むしろ嬉しささえ憶えていた。
病人というだけで優しく大切に扱われる事が、とても居心地良く感じたからだった。
すこし元気になると暇さえあれば、廊下の長椅子に座っては、患者同士でぺちゃくちゃおしゃべり。
その声を聞き付けて他の病室の患者さんも仲間に加わろうと、ぞろぞろ部屋から出て来る。
年寄りの男性が多く、
『おじいちゃん』
というものを知らない私は彼らとの交流も、とても楽しいものになっていった。
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