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「あんた、入院して来た日は大変だったねぇ。体がふたつ折りに折れて、わしゃどうなるかと思ったよ。」
「ずいぶん痩せて、それじゃ線香みたいだね。一人じゃなくて、一本だねぇ。」
等と、屈託のない会話を楽しんだ。友人達もお見舞いにやって来た。
一週間目を過ぎた頃には、すっかり具合も良くなり、食欲も戻って来て、この入院は毎日残業残業で、夜遅く迄仕事をしていた私への休息なのだ、とさえ思うようになっていた。
同室の患者さんの息子さんが毎日持って来るゲームボーイで遊んだり、お気楽な入院生活を送っていた。
唯一の不満は、その医院は余りに古くて患者用のお風呂の設備が無い事だった。
早く退院してゆっくりお風呂に入りたかった。
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