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退院した晩、母と話をした。 M下医院で診て貰った右側の卵巣の事だった。 「どうせ会社を休んでいるのだから、ついでと言っちゃ何だけど早く診て貰った方がいいよ。」 と母。 「そうだね。そうするよ。」 と私。 お産が専門の個人病院より、総合病院の方が安心だよ、と言うことで余りいい評判は無かったが、翌日市内にある唯一の総合病院、C病院へ行く事になった。 産婦人科の待合ロビーには、沢山の患者が居た。総合病院は午前診療のみ。しかも、すごく待たされる。 いらいらが募る。私は昨日別の病院を退院したばかりなのだ。 うんざりする程待たされた。受け付けを済ませてどの位の時間が経ったろう。 やっと名前を呼ばれ、母と一緒に診察室に入った。 50代半ばの頭の禿げたS野医師がそこに居た。産婦人科の部長先生という事だった。 右の卵巣が腫れているという事と、それが発見された経緯を簡潔に述べる。 S野医師は内診台にあがる様に指示。とても、本当にとっても嫌だったが指示に従い、内診を堪えた。 たいした時間は掛かっていないはずなのに、すごく長く感じる。 それが終わると今度はエコーだった。中待合室で少し待たされ、再びS野医師に呼ばれた。
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