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試合開始のサイレンとともに試合は始まった。先攻は王城学園である。
｢一回表の攻撃 一番 ショート中川君｣
アナウンスのコールとともにトップバッターの中川がバッターボックスに立つ。
｢お願いします！｣
(初っぱなから変化球を使うこともないだろう。初球はストレート)
朝霧のサインに頷き神岡は投球モーションに移る。
神岡の第一球。
ビュビュッ！
パアアアン！
140km近い速球がミットに突き刺さる。先頭バッター中川は反応できずただ見送っただけであった。
しかし判定は
｢ボール！｣
(危ねー反応できなかったよ)
２球目、再びストレートを投じるがわずかに外れてまたも判定はボール。
いきなりカウント０ー２と危うい立ち上がりに朝霧の頭に少し不安がよぎる。
そして
｢ボールフォア！｣
｢あらっ？｣
四球目もボール判定に少し首を傾げた
｢へへっラッキー｣
中川は儲け物といった感じで嬉しそうに一塁ベースへ歩いていった。
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