VS 王城学園

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「うおらああああ!!!」 カキーーーン!! 今日初めての快音がグラウンドに響き渡る。 「矢部バーーック!!」 朝霧から矢部に指示が飛ぶ。 センターへの大飛球。 最悪ホームランになる可能性もある。 「取ってみせるでやんす」 矢部は俊足を飛ばしバックスクリーンへ一直線に向かう。 そしてボールとほぼ同時にたどり着く。 (これは……飛べば取れるか?) 「矢部無理すんな!!」 レフト高宮から声がかかる その声にはっと気付く。 (そうでやんす3塁打になるなら2塁で止める……でやんすよ) 矢部は守備練習の時の様子を思い出していた。 無理して傷を広げるなら、ヒットでもいいから確実に取るという高宮の教えを──
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