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前田は確かにストレートを打ちにいった。
しかしボールは重力に逆らうことなく打席の前で大きく沈み、気付いたときには朝霧のミットに収まっていた。
(フォークだと? もう1つの変化球を温存してたというのか……)
(これで意識させられたな)
そして──
「ットラアイック!」
フォークに意識がいきすぎストレートに空振り三振に終わった。
続く6番野中、7番田島もストレートとフォークの組み合わせに翻弄され空振り三振に打ち取られる。
神岡は早くも7つめの三振を奪った──
「──あーあノーヒットノーランいけたのにな」
ベンチに戻った神岡はノーヒットノーランを防がれたことを嘆いていた。
「まだ言ってんのかよ」
「だっていけたっしょ?」
「さあな。まだ完封があるからそっち狙えば?」
「いやノーヒットノーランしたかった!」
「はいはい──」
そんな神岡はさておき6回も両校ともに3者凡退に終わりいよいよ試合は終盤へ突入する。
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