VS 王城学園

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終わって見れば9安打6得点と数少ないチャンスをものにできた桜ヶ丘高校野球部の面々たち。 そして投げては神岡が1安打完封9奪三振という快投を見せつけ二回戦への進出を決めた── さてその桜ヶ丘ナインたちはというと帰りのバスに揺られながら勝利の美酒にひたっていた。 「──ああやっぱ勝つっていいなあ~」 「最後の三振かっこよかったでやんすよ!」 「だろー。さすが俺……」 「完全なボール球だったけどな」 窓の方を見ていた朝霧が神岡に被せるように会話に入ってきた。 「いいじゃん振ってくれたし」 「まぁそうだけど、あのフォームはまだまだ未完成だから、今は使いたくないんだ」 「ちぇっ。あのフォームカッコいいと思うんだけどなぁ──」 腕を組み口をとんがらせ不服そうな表情を浮かべていた。 それを見た朝霧はやれやれといった表情で再び窓の方に顔をやった──
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