エースの器

ひとときの安らぎ

どうも神岡悠介です。

私は今、横覇魔公園の噴水前である人を待っています。

というのも優希から、初戦突破のお祝いをしようという提案もといデートの誘いを受けたからである。

なぜ家が真向かいなのに噴水前なの？　という疑問はさておき、とりあえず言われたとおり俺は、ここで彼女を待っている。

ただいまの時刻は11時50分。待ち合わせ時間は12時だが少し早く着いてしまったか……

｢なんか緊張すんなー。俺がんばれ｣

人生初めての彼女とのデート。気が気でない神岡は落ち着くこともできず、回りをキョロキョロしていた。

端から見れば変質者と言われてもおかしくない。

そして時刻は待ち合わせの12時を回り、遠方から見覚えのある顔が見えてきた。

優希は白のワンピースを着ていていつもと違う雰囲気でドキッとした。

｢ごめーん。待ったかな？｣

｢いや、待ってないよ。俺も今来たところだし｣

とりあえず定番の言い回しでも使っておくか。
内心ドキドキしながら祝勝会もとい生まれて初めてのデートが始まった。