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「七回裏 二番 セカンド 吉川君。」
「しゃああああ!」
大声を張り上げ打席で構える
朝霧がサインを出し頷き投げる
淡々としたテンポで投げ込み簡単にカウント2ー1と追い込んだ
(ボールになるフォークだ。)
朝霧のサイン通りフォークを投げる
ビュビュッ
ストンッ
「ストライク!」
落ちるフォークにバットがくるっと回り空振り三振
これで9つ目の三振を奪った
続いて三番の田中が打席に入る
しかし威勢よく打席に向かった三番田中も早くも2ー1と追い込まれていた
(吉川はこのカウントでフォークを振らされた…なら次はフォークか。フォークなら見送ればボール。)
セオリー通りにいけば間違いなくフォークが来る
田中は打席の中で次の球を予測する
そして神岡が四球目を投じた──……
(よし、フォー…)
「ストライク!バッターアウッ!」
フォークだと思った球はど真ん中ストレートだった
朝霧の嘲り笑うかのようなリードにまんまとはまってしまったのだ
「うっし三振二桁♪」
マウンド上で意気揚々とする神岡
これで今日10個目の三振を奪ったことになる
そして打席にはラストバッターになるであろう四番上村が立つ
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