めくりめく

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「ゲームセット。ただいまの試合は大会規定により、桜ヶ丘高校が10ー0でコールド勝ち! 3回戦進出!」 「っしたぁ!──」 ──神奈川大附属との試合は14安打10得点でコールド勝ちを収めた 今日も神岡は二桁奪三振を含む無四球完封勝利。2試合連続の完封勝利で桜ヶ丘は3回戦進出を決めた。 「いやー二桁だぜ二桁。俺すごくね?」 10奪三振を奪ったことを自慢気に言い放つ神岡。確かに1年でこのピッチングはすごすぎる。 「神岡くんのファンクラブもできるかもしれないでやんすね!」 「かもな!」 にかっと笑い答える神岡であった── そんな喜びに浸る桜ヶ丘ベンチを外野席から見つめる1人の少年がいた。 「2試合連続の完封かぁ。あいつ頑張ってんじゃん」 少年が言うあいつとは神岡のことだろうか。となると神岡を見知った人物であることは間違いなさそうだ。 「うちと当たるまで負けるんじゃねーぞ──」 少年は微笑みながらそう言った。 「おーい行くぞー」 「あー待って下さいよー──」 そして少年は外野席から姿を消した。神岡を見知っているであろう彼はいったい誰なのだろうか──
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