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神奈川大附属の試合の翌日。
この日も朝から練習に汗を流すナインであったが、今日は練習は午前中だけであった──
「──よーし今日の練習はここまでだ。今から3回戦の対戦を見に行くぞ」
練習をひとまず終え荻原がナインにそう告げた。
「今から? バスですよね?」
首を傾げながら神岡が尋ねる。
「いや走っていく。監督からそう言われててね!」
「えー!」
「まぁこれも練習だと思って、さぁ行くぞー!」
1人張り切る荻原に対し他の選手は不服そうな表情を浮かべていた
それでも仕方なく選手たちは走って球場へ迎うことにした……
約一時間ほどで球場にたどり着いた。みな球場に着くやいなやバタバタと倒れる。
荻原、高宮、神岡の3人だけは平気そうな様子であった。
「さすがは神岡だね。結構な距離あるよ?」
「これくらいじゃへばらないっすよ。それよりどこの試合見るんですか?」
「うーんとね、あっこれこれ」
そう言って荻原は胸ポケットから一枚の紙切れを取り出した。
荻原が取り出したのは予選のトーナメント表で二ヶ所に赤いラインが引いてあった。
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