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初球、赤木の出したサインはストレート。
これにバットを出す松田だったが後ろに飛びファウル。
二球目、赤木はカーブ投げるがボール。
三球目もカーブを投げるがまたボール。
続く四球目のストレートを松田は見送りカウントは平行カウントに。
そして五球目田中が投じたのは──決め球のカーブ──
(その軌道はもう分かってんだよ!)
踏み止まりしっかりと体重を残し、それをボールへと伝える──
完璧に捕えた当たりは場外を軽く越えていく。松田はこぶしを突き上げながらベースを回る。
主砲のスリーランホームランでついに試合は動いた──
「──いやーすごかった。やっぱり最恐打線って言われるだけあるな」
球場からの帰り道、先ほどの試合について話していた。
「呑気なこと言ってんじゃねーよ。あれを次の試合抑えないといけないんだぞ」
「わーってるよ。にしても打線がすごいのはわかったけど、あの橘って人の情報はつかめなかったな」
「橘翔太……か──」
結局神鋼学園と東海大佐上の試合は、打線が終盤に爆発した東海大佐上が12ー0と圧勝した。
神鋼の田中はあのあと一つもアウトが取れずに降板、後続のピッチャーも佐上打線に捕まった。
投げては橘翔太が2安打完封勝ちを収めた。
3回戦の相手は東海大佐上に決まった……
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