VS 東海大佐上 ~前編~

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大会第8日目。3回戦ともなれば強豪校がちらほらと顔を合わせてくる。 そして今日桜ヶ丘が対戦する東海大佐上は強豪校に分類されるチームである── ベンチ内を一人の人物がぶつぶつつぶやきながら、うろうろしていた。かなり落ち着かない様子である。 「珍しいな神岡がそんな落ち着かないなんて」 神岡の様子を見兼ねた荻原が声をかけた。 「あっいや……やっぱあの試合を見ると……」 いつになく弱気な発言の神岡 さすがの神岡でも東海大打線を抑える自信がないのだろうか。 「へっ何弱気になってんだよ。お前らしくもない」 「坂本さん……」 「だあああもう気合い入れろ気合い!」 そう言って坂本は神岡のケツを蹴りあげた。 「痛てっ……そうですよね。何弱気になってるんですかね」 少し笑い頭をポリポリと掻き毟りながら神岡は答えた。 すると監督が静かに口を開いた 「相手の打線なんか関係ない。お前達の野球をしてこい」 「はい!」
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