VS 東海大佐上 ~前編~

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(しまった……これがカットボールか) ボール球だと確信した球だったがストライクゾーンで急激に変化しインローギリギリに突き刺さった。 そう橘の決め球“カットボール”が── 「最後はカットボールだ。微妙に外れててもカットで入れてくる可能性がある。臭い球は打ちに行け」 帰りぎわに森田に耳打ちをする。 「わかったにゃ~」 と森田は答え打席へと向かった。 しかし、カウント2ー1から同じくカットボールに空振り三振となり二者連続三振。 そして打席には七番の朝霧。 (カットボールか……来るのが分かれば……。あっ!?) ここで何かに気付いたようだ。 (カットは必ず追い込んでから投げてる。単調なリードだがもしかしたら……) そして朝霧は初球、二球とバットを振ることすらせず仁王立ちで追い込まれる。 (さぁ来いカットボール!) その狙いの三球目、橘が投じたのはど真ん中へのストレートだった。
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