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4月……桜の開花とともに新たな門出を迎えるこの季節。
新調した真新しい制服に袖を通し、様々な期待を膨らまして夢への第一歩を踏み出す。
そして今日、1人の男が門出を迎える───
AM:8:20
神奈川県は神奈川市にある私立校。かつては夏の甲子園3連覇等の輝かしい成績を残していたが、ここ数年はその影も見えない。
ここは少し高台にあり校舎の回りに桜が咲いてることから桜ヶ丘と名付けられたと言われている。
また最寄り駅からこの学校までの急な坂を通称“地獄坂”と呼ばれ運動部が体力作りに使用している。
「ここが桜ヶ丘ねえ……グランドに草生えてるじゃねえか、ちゃんと野球部あんのかな」
髪はボサボサで制服もだらしなく着こなし、あくびをしながらグランドに目をやっているこの男こそ、この物語の主人公神岡悠介である。
「キミ早く教室に入りなさい!」
1人の教師らしき人物がはなし掛けてきた。
「やっべー。初日から遅刻はまずいっしょ」
入学初日から慌てふためく神岡であった───
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