VS 東海大佐上 ~前編~

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(うまくいいとこに決まってくれたな。でも相変わらずノーコンだな……) インコースへの直球を意識させたことと、うまくコントロールがばらけたおかげで桐山を空振り三振に打ちとった。 (さて真打ちだ……気合い入れてけよ) 「四番 サード松田君」 威風堂々──まさにその言葉にふさわしく松田は打席から威圧感を放っていた。 神岡の額から脂汗がこぼれ落ちる 先ほどのホームランが脳裏に浮かぶ。 ドクンドクンと波打つ心臓の鼓動が大きく聞こえてきそうである。 (落ち着け、俺。次は絶対抑えてやる!) 神岡はぶるんぶるんと首を左右に振った。 先ほどの記憶を消すかのように。 そして神岡は朝霧のサインに頷き振りかぶった。
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