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「大丈夫なんでしょうか?」
桑田監督が心配そうに尋ねる。
「そうですね……頭を打ってる可能性があるので、なんとも──」
治療班がすべてを言う前に倒れている男が突然声を発した。
「痛っ……」
高宮が頭を抑えながら起き上がったのだ。
「大丈夫なのか?」
「君、無理はしない方がいい」
「へっ大丈夫っすよ。俺は頑丈だけが取り柄ですから(つか俺こういうのばっかだな……)」
何食わぬ顔で大笑いする高宮にナインはほっと胸を撫で下ろした。
「ただいま高宮君の治療のため一時試合を中断しています」
高宮は治療を受け、臨時代走を出すか聞かれたがそのままグラウンドへと戻った。
ノーアウト1塁、2塁で打席には四番の荻原誠が向かう。
今日初めてのチャンスにベンチは沸き上がる。
(このチャンス絶対無駄にはしない! さー反撃開始だ──)
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