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「よしいいだろう。えーピッチャー希望は神岡だけだったか?」
「はいっ!」
「ふむ。ではピッチングを見せてもらおうか」
そう言われグラウンドの真ん中、土が高く盛られた場所に神岡が立つ。
ガッガッ
自分に合うように念入りにスパイクでマウンドの土を慣らした。
(く~緊張すんなあ。あの桑田選手が見てるんだもんなあ。下手なことできねーな)
「おい、何緊張してんだよ。そんなんじゃアピールできねーぞ!」
受けるキャッチャーはもちろん朝霧。
マウンドの神岡に一声をかけた。
(ふうっ)
まずはロジンに触れ、球を馴染ませる。そして一度大きく息を吹き、投球モーションに移る。
グラブを顔面近くに持っていきノーワインドからしなる腕を思い切り振り抜く。
ビュビュッ!
ドパァンッ!!
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