能力テスト

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「ノーワインドで投げるのに何かこだわりがあるのか?」 監督が神岡に質問する たいていオーバースローで投げる選手はワインドアップが多いからである。 「いやまぁ特に意味はないんですが、岩隈選手をイメージしてます。あとコントロールがばらけるので──」 「そうか。一度ワインドアップで投げてくれないか?」 「……わかりました」 そして、監督に言われるがまま今度はめいいっぱい大きく振りかぶり、腕を思い切り振り抜いた。 ドパァンッ!! 「何キロだ?」 「142キロ……です」 スピードガンは142kmをマーク ワインドアップとノーワインドで球速が変わるというのはほとんどない例である。 つまり神岡はノーワインド時はコントロールを意識しているため、力を制限して投げていることになる。 「ふむ、わかった。次は、変化球を投げてみろ。ノーワインドでいい」
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