393人が本棚に入れています
本棚に追加
/305ページ
「ノーワインドで投げるのに何かこだわりがあるのか?」
監督が神岡に質問する
たいていオーバースローで投げる選手はワインドアップが多いからである。
「いやまぁ特に意味はないんですが、岩隈選手をイメージしてます。あとコントロールがばらけるので──」
「そうか。一度ワインドアップで投げてくれないか?」
「……わかりました」
そして、監督に言われるがまま今度はめいいっぱい大きく振りかぶり、腕を思い切り振り抜いた。
ドパァンッ!!
「何キロだ?」
「142キロ……です」
スピードガンは142kmをマーク
ワインドアップとノーワインドで球速が変わるというのはほとんどない例である。
つまり神岡はノーワインド時はコントロールを意識しているため、力を制限して投げていることになる。
「ふむ、わかった。次は、変化球を投げてみろ。ノーワインドでいい」
最初のコメントを投稿しよう!