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そして、監督の指示どおり再び投球モーションに移る。
「ちょっちょっとたんま。何投げるんだよ？」
なんの予告もなくモーションに移る神岡に朝霧が待ったをかける。
「教えなーい。天才の実力を見せてくれよ」
それをいじわるそうに神岡は返した。
「ったく」
そして、再びモーションに移りノーワインドから腕を振り抜く。
(ストレート？ いや、これは──)
ストンッ！
パシッ！
(フォークボールかよ)
途中までストレートと同じ軌道だったがバッターボックス手前で大きく沈んだ。
回転数が少ないために重力がかかって起きる急激な変化だが、それをフォークと判断し、いとも簡単に捕球した朝霧はさすがである。
（なかなかいいフォークだな）
「よし、いいだろう！ これにて能力テストを終了する！」
「おつかれっしたぁ！」
こうして１年の能力テストが終わった。
人数が少ない桜ヶ丘野球部は１年でもレギュラーになれる可能性がある。
果たして、この中からレギュラーになる人物はいるのだろうか──
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