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「おい無視して先に入ろうとすんなコラ!」
部室には野球用具が転々としていて、少しじめじめした暗い雰囲気が漂っていた。
「うわ~なんか暗いな!」
部屋に入るなり思わず率直な意見を漏らす神岡。
「まだ電気付けてないでやんすからね」
「いやそうじゃなくて……。つか誰もいないし帰ろうぜ。なんか毎回予選敗退の理由がわかった気がするな……」
誰もいない部室をあとに出ようとしたとき、1人の温厚そうな男が話しかけてきた。
「おおっ! 君たち入部希望者かい?」
「そうだけど、あんたは?」
「僕は3年の荻原誠(おぎわらまこと)。桜ヶ丘野球部へようこそ! ちなみに一応部長だよ」
「へーあんたが……部長!?」
二人は声を揃えて驚いた。
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