練習試合へ向けて

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「向いてないだろうな」 「えっ?」 「ちょっと……」 坂本が口を挟もうとするが荻原は言葉を続けた。 「そうやって簡単に投げ出すようなやつは一生強くなれない。人は諦めた瞬間に成長が止まってしまうんだ。才能がないとか、身体的に向いてないとか、そんなのはただの言い訳だ。 今プロにいるような選手だって最初は、三神のようにボールに当たらなかったかもしれない。でも毎日の努力の積み重ねがあってプロの舞台で戦えてるわけだ」 「努力……」 荻原の言葉は続く。 「そう。継続は力なりという言葉があるように、日々の努力を続けた先には必ず結果がついてくる。だから練習頑張ろう!」 「いつになく真面目な荻原さんだ」 坂本が荻原を少しちゃかした。 「別にいいだろう。たまには俺にも部長らしいところを見させてくれよ」 少し照れくさそうな表情を見せた荻原だった。 その後三神を鍛えるべく3人がかりで指導。腰の振り方、バットの出し方、腕のふりなどを念入りに教えた。
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